目次
- スカウト返信率の全体平均はどのくらいか
- 一般的な平均は2〜10%、ただし幅が大きい
- 「平均値」と「事例値」は別物
- 媒体別の平均返信率|ビズリーチ・Wantedly・doda・Forkwell ほか
- 情報源別に見る媒体別の返信率
- なぜ媒体で差が出るか
- 数値が記事ごとに食い違う理由と読み方
- 職種別・業界別の返信率の目安
- 人気職種ほど返信率は下がる
- 流通量の少ない職種は相対的に高い
- 返信率の前に見るKPI|開封率・求人閲覧率の目安
- スカウトのKPIファネル
- 各段階の目安値
- 自社の返信率は高いか低いか|平均との比べ方
- 自社が比べるべきレンジの選び方
- 高い / 普通 / 低いの判定とボトルネックの振り分け
- 段階別の改善ステップ|開封・閲覧・返信のどこを直すか
- 開封率が低いとき
- 開封後の求人閲覧率が低いとき
- 閲覧後の返信率が低いとき
- 返信率と一緒に設計するKPI|目標値と「返信数」
- 改善を続ける運用|ABテストと振り返りの回し方
- 一度に一つの変数だけを変える
- 週次と月次の振り返り
- 候補者別のカスタマイズと送信量を両立させる難しさ
- よくある質問
- スカウトの平均返信率はどのくらいか?
- 返信率が急に下がったときは何を見るか?
- 返信率と返信数のどちらを重視すべきか?
- まとめ
- 出典
スカウトを送り続けているものの、自社の返信率が高いのか低いのか分からない、という採用担当者の方は多いのではないでしょうか。ネットで見かける平均値は記事ごとにバラバラで、どこを直せば改善するのかも判断しづらいのが実情です。
返信率は媒体や職種によって目安が大きく変わります。そのため、まず自社の数字を正しい物差しに当て、ファネルのどの段階が低いのかを見つけることが、改善の起点になります。
この記事では、媒体別・職種別の返信率の目安を示したうえで、自社の返信率が高いか低いかを判定する見方、開封・閲覧・返信のどこを直すかという段階別の改善ステップ、返信率と返信数の両方をそろえる目標設計までをお伝えします。
※本記事に登場する各媒体の仕様・各調査データは2026年6月時点の公開情報に基づくもので、変動する場合があります。
スカウト返信率の全体平均はどのくらいか
最初に全体像をつかみます。ダイレクトリクルーティングのスカウト返信率は、レンジとしておおむね2〜10%と見るのが安全です。
一般的な平均は2〜10%、ただし幅が大きい
例えばダイレクトソーシングが70万件規模のスカウト実績をもとに公開した推移では、2018年16.2%から下がり続け、2023年6.9%、2024年7.2%、2025年6.7%で推移しています[1]。スカウト過多による反応低下を経て、直近の横断平均の中心は6〜8%前後と読むのが妥当です。
「返信は必ず来るもの」という前提で運用すると、ほとんどのケースで期待値を見誤ります。10通送って1通返ってくれば標準的、というくらいの感覚が現実に近いと考えられます。
「平均値」と「事例値」は別物
ここで一つ、数字の読み方を共有しておきます。世間で示されているスカウト返信率には、横断調査による「平均値」と、媒体公式が成功事例として公表する「事例値」が混在しています。
たとえば返信率25%や35%といった数字も見かけますが、これらは特定企業の事例値であり、媒体全体の平均ではないケースが多いです。両者を混同すると、自社の目標が一気に非現実的になります。
媒体別の平均返信率|ビズリーチ・Wantedly・doda・Forkwell ほか
媒体ごとに候補者の利用目的やスカウト流通量が違うため、返信率の目安も大きく変わります。
注意したいのは、多くの媒体で「公式の全体平均返信率」が公開されていない点です。同じ媒体でも、参照する情報源によって示される数字は変わります。ここでは媒体公式、ダイレクトソーシング社の運用実績、circus社の企業アンケートという3つの情報源に絞り、媒体ごとの返信率をまとめてみます。単一の数値で「この媒体の平均はこれ」と断定しないことが重要です。
情報源別に見る媒体別の返信率
媒体公式は全体集計または特定企業の事例値、ダイレクトソーシング社は運用代行で蓄積した横断実績(70万件規模)[1]、circus社は179社への企業アンケートの回答分布です[2]。
| 媒体 | 媒体公式 | ダイレクトソーシング社の運用実績[1] | circus社の企業アンケート[2] |
|---|---|---|---|
| ビズリーチ | 非公開 | 6.3%(2025年9月) | 半数以上が4〜6%以上(比較媒体中で最も高い傾向) |
| Wantedly | 非公開 | 11.8〜26.7%(2025年7〜9月) | 約4分の3が1〜3% |
| doda ダイレクト | 非公開(開封率は75%[3]) | — | 1〜3%が6割超(10%超の企業も一定数) |
| Green | 非公開 | 0.7〜2.2%(2025年7〜9月) | — |
| Forkwell | 17.01%(2023年4月〜2024年3月の初送スカウト)[4] | — | — |
| YOUTRUST | 約25%(集計期間・母数は非公開)[5] | 16.9% | — |
| 非公開 | 9.2%(つながり承諾後に送るInMailは20.0%) | — |
同じWantedlyでも、ダイレクトソーシング社の実績では十数〜20%台、circus社のアンケートでは約4分の3が1〜3%と、情報源によって大きく開きます。1つの情報源の数値をうのみにせず、複数を見比べてレンジで捉えることが大切です。
媒体公式が出す高い数値の多くは、特定企業の事例値です。たとえばForkwellには返信率18.2%や約23%の企業事例、YOUTRUSTにはMIXIの35%超やGRACIAの80%といった事例があります[4][5][6]。Wantedlyにも、PRUMが返信率25%超を実現したという事例があります[9]。これらは「うまくいった企業の到達点」であって、初期の目標値ではありません。
なぜ媒体で差が出るか
主な要因は、候補者の転職温度感、スカウトの流通量、そしてハイクラス度です。
Wantedlyは共感・カルチャー型で、転職を即決していない層も含めて反応が起きやすく、レンジが上振れしやすい傾向があります。一方でビズリーチはハイクラス層に競合スカウトが集中するため、1通あたりの反応は出にくくなります。Forkwellのようなエンジニア特化媒体は、母集団が絞られている分、丁寧に読まれて返信率が高く出やすいと考えられます。
数値が記事ごとに食い違う理由と読み方
同じ媒体でも記事によって数字が割れるのは、調査主体・母数・期間・返信の定義が違うためです。
特に「返信」の定義差は見落としがちです。Forkwellは返信率17.01%の内訳として、承諾6.59%と辞退10.41%の両方を含むと明示しています[4]。つまり、ある媒体の「返信率」は前向きな返信だけを指すとは限らず、辞退の連絡も含む「何らかの返信率」を指すことがあります。
外部の平均値は幅のあるレンジとして受け止め、自社で継続して計測する数値を主の物差しにするのが現実的です。媒体の管理画面に出る自社の返信率こそ、最も条件のそろった比較対象になります。
職種別・業界別の返信率の目安
媒体に加えて、職種でも返信率は大きく変わります。基本的な傾向は「人気職種ほどスカウトが集中するため、返信率は下がる」という一点に集約されます。
人気職種ほど返信率は下がる
ダイレクトソーシングの70万件規模の実績では、職種別の返信率はエンジニア8.1%、コンサル6.2%、セールス9.4%でした[1]。エンジニアやコンサルは需要が高い一方で供給が薄く、一人の候補者に多数のスカウトが届くため、自社の1通が埋もれやすくなります。
流通量の少ない職種は相対的に高い
逆に、スカウトの受信が集中しにくい職種は返信率が高めに出ます。同じ実績データでは、マーケティング12.8%、人事13.1%、経営・事業開発13.1%、化学・素材16.0%でした[1]。
LinkedInのグローバル分析でも、QAが平均比プラス16%、人事がプラス15%、プロダクト・プログラム管理やコミュニケーション職がプラス11〜15%と、職種による差が確認できます[7]。自社の募集職種がどちら寄りかで、まず期待値を調整することが大切です。
返信率の前に見るKPI|開封率・求人閲覧率の目安
返信率だけを見ても、なぜ低いのかは分かりません。返信率は複数の段階の掛け算の結果だからです。
スカウトのKPIファネル
スカウト運用は、次の流れで候補者が絞られていきます。
- 送信数:何通送ったか
- 開封率:送ったうち何%が開封されたか
- 開封後の求人閲覧率:開封したうち何%が求人ページまで見たか
- 閲覧後の返信率:閲覧したうち何%が返信したか
- 返信者の応募率:返信者のうち何%が応募・面談に進んだか
返信率が低いとき、原因が開封なのか、閲覧なのか、その先なのかは、この分解を見ないと特定できません。
各段階の目安値
公開データから比較軸を置くと、開封率は60〜75%前後が目安になります。例えばdodaの開封率は75%[3]、Forkwellは66.08%[4]という値が公式で示されています。
一方で、閲覧後の返信率や返信者の応募率は、公開された横断平均がほとんどありません。これらの段階は、媒体の管理画面に出る自社の実績を物差しにするのが現実的です。
同じ最終返信率でも、どの段階が低いかで打ち手はまったく変わります。
自社の返信率は高いか低いか|平均との比べ方
ここまでの目安を使い、自社の現在地を判定します。手順はシンプルです。
自社が比べるべきレンジの選び方
まず「媒体×主要職種」で、参照するレンジを一つ選びます。複数の媒体を併用している場合は、媒体ごとに分けて見ることが前提です。媒体特性が違うものを合算するのは避けましょう。
たとえばビズリーチでハイクラスのエンジニアを採用しているなら、ビズリーチの目安(4〜6%前後[2])とエンジニアの傾向(一桁台[1])を重ねて、低めのレンジを基準に置きます。Wantedlyでビジネス職を採用しているなら、より高いレンジが基準になります。
高い / 普通 / 低いの判定とボトルネックの振り分け
選んだレンジに対して、自社の返信率が上回っていれば「良好」、レンジ内なら「標準」、下回っていれば「要改善」です。
要改善と判定したら、すぐ文面を書き直すのではなく、ファネルのどの段階が低いかを先に見ます。開封率が低いのか、開封後の求人閲覧率が低いのか、閲覧後の返信率が低いのか。落ちている段階によって有効な打ち手はまったく違うため、ここを特定してから手を動かすことが重要です。
返信率を上げるための4段階の診断を詳しく知りたい場合は、記事『スカウトの返信率を上げるコツ|件名・文面・ターゲティングと運用設計』をあわせてご覧ください。本記事は、平均と比べて低い段階を見つけるところまでに絞って解説します。
段階別の改善ステップ|開封・閲覧・返信のどこを直すか
落ちている段階が分かったら、その段階に有効な打ち手から着手します。開封・閲覧・返信の順に打ち手を示します。
開封率が低いとき
開封の前に見られるのは、媒体の仕様にもよりますが、件名・送信者名義・本文の冒頭です。本文を直しても、開封されていなければ届きません。加えて、送信対象者と送信タイミングも重要なポイントになります
まず送信対象を見直します。候補者の属性だけでなく、スカウト受信数の少ない候補者や、直近の活動が活発な候補者に絞ると開封率は高くなりやすいです。次に件名です。本人に向けて書かれていると分かる具体的な件名にすると、開封されやすくなります。送信タイミングは、通勤・退勤時間や休憩時間を狙うのが1つの有効な方法です。
件名の具体的な作り方は、記事『スカウト文面の書き方|職種別・状況別の例文と、自社・候補者に合わせて書き換えるコツ』をあわせてご覧ください。
開封後の求人閲覧率が低いとき
開封されても求人ページまで進まないなら、本文の冒頭が弱いケースが多いです。
冒頭の80〜120字ほどで「なぜこの人に送ったのか」「どんな役割か」「何が魅力か」を短く示すと、続きを読む動機になります。テンプレートのまま送ると、選定理由が伝わらず求人閲覧に進みにくくなります。
閲覧後の返信率が低いとき
求人まで見たのに返信が来ないなら、求人の魅力・条件・送信理由のいずれかが弱い可能性があります。
辞退の理由としては、タイミングの不一致、候補者が自分ごと化できなかったこと、企業や事業の魅力が不十分だったことなどが挙げられます。改善策としては、要件やタイミングの見直し、候補者に感じた魅力の具体化、求人タイトルの再考、動画などでの訴求があります。
返信率と一緒に設計するKPI|目標値と「返信数」
返信率は「率」の指標です。採用数につなげるには、率と一緒に返信「数」も設計する必要があります。
返信率が高くても送信数が少なければ、返信の絶対数は増えません。逆に返信率がやや低めでも、十分な送信数があれば必要な返信数を確保できます。母集団が小さい企業は、文面の改善よりもまず送信量の確保が先になるケースが多いです。返信率だけを見て送信数を絞ると、見かけ上は数字が良くなっても採用が進まない、という状態に陥りかねません。
改善を続ける運用|ABテストと振り返りの回し方
返信率の改善は、一度直して終わりではなく、検証を回し続けることで安定します。
一度に一つの変数だけを変える
ABテストは、件名、送信対象、冒頭、選定理由、CTAなど、一度に一つの要素だけを変えて比較するのが基本です。同時に複数を変えると、どれが効いたのか分からなくなります。
週次と月次の振り返り
週次では中間指標、月次では採用成果を見ると運用しやすくなります。
週次で見るのは、送信数・開封率・開封後の求人閲覧率・返信率・前向き返信率・面談設定率、そして媒体別・職種別・送信者別の差分です。月次では、返信数・面談数・書類通過数・内定数・媒体別の採用単価・職種別の頭打ち傾向を見ます。中間指標で兆候をつかみ、採用成果で最終確認する、という二段構えが有効です。
候補者別のカスタマイズと送信量を両立させる難しさ
高い成果を出すには、候補者ごとのカスタマイズと、十分な送信量の両立が求められます。ここが運用上の壁になりがちです。
一人ひとりに合わせた文面を作り込むほど工数がかかり、送信量を確保しようとするとカスタマイズが薄まります。この両立を進める一つの考え方が、役割分担です。候補者の抽出や下書き、配信といった前処理は仕組み・ツールや生成AIに寄せ、送信するかの最終判断や口説き、条件のすり合わせといった品質を左右する工程は人が担う、という分け方です。
実際、採用現場でも生成AIの実務利用が広がっています。学情の2026年調査では、キャリア採用業務で生成AIを「すでに利用」が28.7%、「検討中」9.5%、「利用したいが未着手」16.4%で、前向きな層は54.6%に達しました[8]。利用・利用意向のある業務は求人票作成65.3%、スカウトメールの作成・配信56.0%が上位です[8]。一方で、面接・面談を人が重視する業務とする回答は75.3%と突出しており[8]、AIと人の役割分担が現場の実感に沿っていることが分かります。AI活用の考え方は、記事『採用にAIをどう活用する?事例から見える「成果が出る使い方」と「出にくい使い方」』もあわせてご覧ください。
よくある質問
スカウトの平均返信率はどのくらいか?
一般的には2〜10%程度、直近の中心は6〜8%前後です[1]。ただし媒体と職種で大きく変わるため、自社の「媒体×職種」のレンジで判断することが前提になります。
返信率が急に下がったときは何を見るか?
まずファネルのどの段階が落ちたかを見ます。開封率が落ちたなら送信対象のアクティブ度や受信過多、件名・送信タイミングを疑います。求人閲覧率が落ちたなら本文冒頭、閲覧後の返信率が落ちたなら求人の魅力や条件、選定理由を見直します。送信対象のセグメントが人気職種や競合集中層に偏っていないかも確認しましょう。
返信率と返信数のどちらを重視すべきか?
基本的には返信数です。最終的に目指す採用数を達成するには、必要な返信数があるはずです。そして返信数=送信数×返信率の関係があるため、プールの人数や工数的に可能な送信数を踏まえて、返信数を達成するために必要な返信率が導かれます。母集団が小さい段階では送信量の確保を優先し、量がそろってきたら率の改善に重心を移すのが1つの考え方です。
まとめ
スカウト返信率は、媒体と職種によって目安が大きく変わります。
改善の手順は、まず自社の「媒体×職種」のレンジで数字を比べて高いか低いかを判定し、低い場合はファネルのどの段階が落ちているかを特定して、その段階に効く打ち手から着手することです。そのうえで、返信率と返信数の両方を目標設定し、検証を回し続けることで運用が安定します。平均値と事例値を取り違えず、自社の実績値を物差しにすることが、遠回りに見えて最も確実な進め方になります。
自社の返信率を平均と比べて改善したいものの、候補者ごとの個別化と送信量の両立が回らない、とお考えなら、リソースワーカーの「スカウト運用支援サービス」もご検討ください。候補者の選定から文面の個別化・送信・返信対応・週次の数値改善まで、生成AIと採用のプロの分担で行動量と品質を両立します。
出典
- ダイレクトソーシング「スカウト返信率データ完全公開【2025年版】」(媒体別・職種別・年齢別の返信率、70万件規模の実績、2025年)
- circus「スカウト採用についてのアンケート調査」(媒体別の返信率分布、カスタマイズと返信率の関係、2025年)
- doda ダイレクト「スカウトメールの高い開封率を実現する仕組み」(開封率75%、送信対象の絞り込み、2024年)
- Forkwell「ご提案資料」(開封率66.08%・返信率17.01%、承諾と辞退の内訳、辞退理由、集計2023年4月〜2024年3月)
- YOUTRUST TALENT 公式(スカウト返信率 約25%、2026年閲覧)
- YOUTRUST「MIXIが返信率35%超を実現した採用アプローチ」(特定企業の事例値、2026年)
- LinkedIn「The Workers and Industries with the Highest InMail Response Rates」(職能別の相対差、2024年)
- 学情「キャリア採用業務に『生成AIを利用している』3割弱、半数超が利用に前向き」(生成AIの利用状況と対象業務、2026年)
- Wantedly「PRUMのスカウト返信率25%超えの秘訣とは」(特定企業の事例値、2024年)
