Information

お役立ち情報

ダイレクトリクルーティングの成功事例|成果を分けた共通の要因とは

ダイレクトリクルーティングの成功事例|成果を分けた共通の要因とは

「ダイレクトリクルーティングは本当に成果が出るのか」「知名度のない自社でも採用できるのか」——そんな疑問を持つ採用担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、ダイレクトリクルーティングで採用に成功した企業の事例を、業界・規模別に紹介します。ただ事例を並べるのではなく、成果を分けた共通の要因まで掘り下げ、自社で再現するためのヒントと、うまくいかないときの見直し方までお伝えします。

※ 本記事に登場する各社の事例・数値は公表時点のもので、最新の状況とは異なる場合があります。

ダイレクトリクルーティングで得られる成果

事例を見る前に、ダイレクトリクルーティングでどのような成果が期待できるのかを整理しておきます。ここを押さえておくと、後ほど紹介する各社の事例が「自社にとって何の参考になるのか」を判断しやすくなります。

ダイレクトリクルーティングは、企業が求人媒体や人材紹介に頼らず、データベースなどから候補者を探して直接アプローチする採用手法です。求人広告のように応募を待つのではなく、企業側から動く点が大きな違いになります。この特性から、得られる成果は主に次の4つに分けられます。

1つ目は、転職潜在層へのアプローチ可能性です。今すぐ転職を考えていない優秀な人材にも、企業側から声をかけることで接点を持てます。2つ目は、採用数の確保です。要件に合う候補者を狙って探すため、母集団の質を保ちながら必要な人数を採用しやすくなります。3つ目は、スピードです。仲介を挟まないぶん、候補者との距離が近く、選考のリードタイムを短くできるケースがあります。そして4つ目が、知名度ハンデの克服です。ナビ媒体では大企業に埋もれてしまう中小・スタートアップでも、直接アプローチなら自社の魅力を一人ひとりに届けられます。

これらの成果がどのように現れるのかを、具体的な企業の事例で見ていきましょう。なお、ダイレクトリクルーティングそのものの定義やメリット・デメリットの全体像については、『ダイレクトリクルーティングとは?仕組み・メリット・始め方をまとめて解説』をご覧ください。

ダイレクトリクルーティングの成功事例|業界・規模別

ここからは、ダイレクトリクルーティングで採用に成功した企業の事例を、企業の規模や状況ごとに紹介します。地方の中小企業、成長期の中堅企業、大手企業と、立場の異なる企業がそれぞれどう成果を出したのかを見ていきます。

地方の中小企業が、知名度のハンデを越えた事例

地方や中小の企業は、求人広告を出しても大手に埋もれ、なかなか応募が集まらないという課題を抱えがちです。その状況をダイレクトリクルーティングで打開したのが、次の3社です。

静岡県でLPガス販売などエネルギー事業を手がける富士ツバメ株式会社(従業員51〜500名)は、新規事業を担う即戦力人材の採用が必要でしたが、地方の中小企業ゆえに求人媒体では認知を得にくいという壁に直面していました。そこで「たった一人に届けばいい」という意識で、求人票とスカウト文を一言一句まで作り込み、候補者を気遣う文面を一通ずつ添えて送ったところ、導入からわずか2カ月で即戦力人材4名の採用に成功しています。入社者の一人は、面接を受けた理由を「メールの文面が温かかったから」と語ったといいます[1]。

岡山県で働き方支援事業を営む株式会社WORK SMILE LABO(従業員45名程度)は、訴求の軸そのものを切り替えた事例です。かつては福利厚生や採用条件といった「働きやすさ」をアピールしていましたが、それでは内定辞退率や離職率が高くなることが課題でした。そこで自社のビジョンや理念を前面に出し、そこに共感する人材を採用する方針へ転換したところ、応募者のエリアが全国へと広がり、新卒採用では応募者の約7割が県外からの応募になっています[2]。母集団の数は減っても、共感を軸に絞り込むことで定着につながったという点が示唆に富みます。

広島・岡山・愛媛でホテルを運営する株式会社サン・クレアは、フロントスタッフの採用にダイレクトリクルーティングを活用しました。地方企業という不利を踏まえ、スカウトの対象を「転職可能性の高い人材」に的を絞ったのが特徴です。「1日以内ログイン」「1週間以内ログイン」といった、活動が活発な候補者にのみメッセージを送った結果、スカウト返信率は20%超を記録しました。連携しているSNSも確認して社風との相性を見極めるなど、量だけでなく質にもこだわった運用が採用成功につながっています[3]。

中小・成長企業が、即戦力・専門人材を採用した事例

事業の拡大期には、特定のスキルを持つ即戦力や、市場に少ない専門職を採りたい場面が増えます。求人広告では出会いにくいこうした人材を、ダイレクトリクルーティングで獲得した事例です。

埼玉県で不動産の売買・賃貸仲介や賃貸管理を手がけるB社(従業員40名程度)では、社長自らが候補者検索を担いました。中期ビジョンを策定して求人票とスカウト文に反映したうえで、ログインから1カ月以内の活発な求職者に絞ってアプローチし、スカウト文面には候補者名・ポジション名・在籍企業名を盛り込みました。その結果、50通のスカウト送信から1カ月で8名の応募を獲得し、不動産営業のマネジメント経験者2名の採用に成功しています[4]。

千葉県で医療事業支援を展開するA社も、企業メッセージの作り込みで成果を上げました。自社のPurpose・Mission・Vision・Value(存在意義や目指す姿)と事業計画を整理し、「募集ポジションがなぜ必要で、何がやりがいなのか」を求人票とスカウト文面に明示しています。あわせて、候補者検索の段階で職務経歴の充実した人に絞ったところ、99通のスカウト送信から3カ月で21名の応募を集め、即戦力人材2名の採用につながりました[4]。

コンサルティング・リサーチ事業を営む株式会社セブンデックスは、専門性の高いデザイナー採用の事例です。当初はリファラル採用が中心でしたが、事業成長に人員確保が追いつかない懸念から、ダイレクトリクルーティングへ踏み出しました。UI/UXデザイナーはそもそも母数が少なく難易度の高い職種のため、クリエイティブ職に強い媒体を選定し、スカウト文面のA/Bテストや送信ターゲットの絞り込みといった仮説検証を地道に重ねています。こうしてPDCAを回し続けた結果、専門性の高いデザイナー8名の採用に成功しました[3]。

大手・拡大期の企業が、コア人材を採用した事例

規模の大きい企業でも、事業を牽引するコア人材や、従来の採用手法では出会えない人材の獲得には、ダイレクトリクルーティングが力を発揮します。

外食やホテル事業を展開するロイヤルホールディングス株式会社(従業員501〜5,000名)は、海外現地責任者など、社内登用では見つけにくいコア人材の採用が急務でした。人事はまず条件で約300人に絞り込んだうえで、一人あたり5〜10分かけて職務経歴書を読み込み、事業部門の役員とともに評価して送信先を厳選しています。責任と魅力のあるポジションを具体的に提示する丁寧なアプローチによって、スカウト返信率は約7割という高い水準を維持し、1年半で6名の即戦力人材を獲得しました。一般に返信率が低いとされるエンジニア職でも、7割近い返信を得られたといいます[5]。

ソーシャルメディア分析を手がける株式会社ホットリンク(従業員51〜500名)は、人材紹介中心の採用でコストが高騰していたことを課題に、ダイレクトリクルーティングを中途採用の主軸へ切り替えました。経営戦略から逆算して「求める人材像」を定義し、定期的に見直しながら運用する体制を整えています。中間マージンを排した結果、わずか1年で採用コストを80%削減しながら、新たに30名の採用を実現しました。採用を経営課題と位置づけ、面接に役員が出るなど全社で取り組んだことが成果の背景にあります[6]。

事例から見える、成果を分けた共通の要因

ここまでの事例は、業界も規模も状況もさまざまです。それでも成果を出した企業には、共通する要因がいくつも見られます。事例を再現可能な学びに変えるために、その共通点を5つに分けて掘り下げます。

ターゲットを明確に絞っている

成果を出した企業に共通するのは、誰に送るかを明確に絞っている点です。サン・クレアが「1日以内ログイン」といった活発な候補者に対象を限定したように、反応が見込める層へ的を絞ることが、限られた送信数を成果に変える前提になります。A社が職務経歴の充実した人に絞り、B社がログイン1カ月以内の求職者に送ったのも同じ発想です。やみくもに数を送るのではなく、自社が本当に必要とする人物像を定義し、そこに合致する候補者を選び抜くことが出発点になります。

一人ひとりに合わせたカスタム文面を送っている

候補者は複数の企業から似たようなスカウトを受け取っているため、テンプレートを一律に送っても返信は期待できません。富士ツバメが一通ずつ候補者を気遣う文面を添え、その温かさが入社の決め手になったように、「なぜあなたに送ったのか」が伝わる文面は反応を大きく左右します。B社が候補者名・ポジション名・在籍企業名を盛り込んだのも、特別感を生む工夫です。文面の作り込みは手間がかかりますが、その手間こそが返信率を分けます。スカウト文面の具体的な書き方は、別の記事『スカウト文面の書き方|職種別・状況別の例文と、自社・候補者に合わせて書き換えるコツ』もあわせてご覧ください。

反応への対応が丁寧

スカウトに返信があったとき、対応がぞんざいだと候補者の関心は離れてしまいます。せっかく届いた反応を面談や採用につなげられるかどうかは、その後のフォローの丁寧さにかかっています。ロイヤルホールディングスが候補者の職務経歴書を一人あたり5〜10分かけて読み込み、返信のあった候補者と丁寧に向き合って採用に至ったように、一人ひとりへの誠実な対応が成果を左右します。反応を取りこぼさない体制を整えておくことが大切です。

十分な送信量を確保している

ターゲットや文面の質が高くても、行動量が足りなければ成果は出ません。A社の99通、B社の50通という送信数は、いずれも複数名の採用につながる母集団を生み出すための行動量でした。返信率には限りがあるため、面談・採用に必要な数を逆算し、それに見合う量のスカウトを送り切ることが欠かせません。質を保ちながら量を確保する、その両立が成果の土台になります。

PDCAを継続している

成果を出した企業は、一度の送信で終わらせず、改善を続けています。セブンデックスがスカウト文面のA/Bテストやターゲットの絞り込みを地道に重ね、返信率と採用の質を高めていったのは、その典型です。ホットリンクが「求める人材像」を定期的に見直し、外部環境に合わせて更新し続けたのも同じ姿勢といえます。送信数・返信率・面談化率などの数値を計測し、文面やターゲットを改善し続ける運用が、成果を安定させます。

中小・スタートアップが成果を出すには

ここまでの事例には、地方の中小企業や成長期の企業が数多く含まれていました。知名度や採用予算で大手に劣る企業でも、ダイレクトリクルーティングで成果は出せます。中小・スタートアップが押さえておきたい考え方を整理します。

知名度のハンデをダイレクトリクルーティングで覆す

ナビ媒体に求人を出すと、応募は知名度の高い大企業に集中し、無名の企業は埋もれてしまいがちです。一方、ダイレクトリクルーティングなら、企業側から直接アプローチして自社の存在を知ってもらえます。富士ツバメが地方の中小企業でありながら2カ月で4名を採用し、WORK SMILE LABOがビジョン訴求で全国から応募を集めたように、規模ではなく「事業への想い」や「働く意義」で候補者の心を動かせるのが、この手法の強みです。条件面で大手に勝てなくても、共感を軸にすれば接点は作れます。

限られたリソースで「量と質」をどう両立するか

中小・スタートアップにとって難しいのは、人手が限られるなかで、十分な送信量と一人ひとりに合わせた文面の質を、どう両立するかという点です。すべてを手作業で抱えると、候補者検索や文面作成に追われ、肝心の改善や候補者対応まで手が回らなくなります。

ここで有効なのが、AIの活用です。候補者の抽出や文面の下書きといった前処理をAIに任せ、最終的な判断や候補者との関係構築は人が担うことで、量を確保しながら質を保ちやすくなります。それでも自社のリソースだけでは回し切れない場合は、スカウト業務の一部を外部に委託する選択肢もあります。自社で運用できないときの委託先の選び方は、別の記事『スカウト代行|依頼できる業務・料金相場・サービスの選び方』で詳しく扱っています。

成果が出ないときに見直すこと

ダイレクトリクルーティングを始めても、思うように成果が出ないことはあります。多くの場合、つまずきの原因は成功要因の裏返しです。次の3点を見直すと、改善の糸口が見つかります。

ターゲットがぶれていないか

理想像を詰め込みすぎると、市場にほとんど候補者がいない「実在しない人材」を探すことになり、いくら送っても反応が得られません。社内の要望をそのまま条件に重ねていないか、まずはターゲット設定を見直しましょう。逆に、対象が広すぎて自社に合わない層に送っている場合も、返信率は下がります。反応が見込める候補者に絞れているかを、改めて確認することが大切です。

文面がテンプレート一律になっていないか

候補者の経歴や興味に触れない定型文を大量に送ると、「一斉送信」と受け取られて読まれません。特に優秀な層ほど、独自性のないスカウトには反応しません。送信数を稼ぐことを優先するあまり、文面が画一的になっていないかを点検しましょう。一人ひとりのプロフィールを読み込み、その人に向けた一文を添えるだけでも、反応は変わります。

送信量・初動・改善が足りているか

送信量が不足していれば、そもそも母集団が形成されません。返信への対応が遅ければ、候補者の熱は冷めてしまいます。送りっぱなしで振り返りをしなければ、改善も進みません。量・初動・改善のどこかが欠けていないかを確認しましょう。返信率が上がらない原因の分解や具体的な改善の進め方は、別の記事『スカウトの返信率を上げるコツ|件名・文面・ターゲティングと運用設計』で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

中小企業でもダイレクトリクルーティングで成果は出るか?

成果は出ます。本記事で紹介した富士ツバメやB社、WORK SMILE LABOのように、地方や中小の企業でも採用に成功した事例は数多くあります。むしろ、ナビ媒体では大手に埋もれてしまう企業こそ、企業側から直接アプローチできるダイレクトリクルーティングと相性が良いといえます。条件面ではなく、事業への想いや働く意義といった魅力で候補者の心を動かせる点が、規模の小さい企業にとっての強みになります。

成果が出るまでどのくらいかかるか?

期間は企業や状況によって幅があります。事例では、富士ツバメが2カ月で4名、A社が3カ月で2名を採用した一方、ロイヤルホールディングスは1年半で6名を獲得しています。短期間で成果が出るケースもあれば、コア人材の採用などじっくり時間をかける場合もあります。送信から面談、選考までを見込んで、数カ月単位で取り組む前提を持っておくとよいでしょう。

返信率はどのくらいが目安か?

返信率は媒体や業種によって異なりますが、一般に数%〜10%程度が一つの目安と言われます。事例では、サン・クレアの20%超やロイヤルホールディングスの約7割といった高い返信率も見られますが、これらはターゲットの絞り込みや文面の作り込みを徹底した結果です。返信率の媒体別・職種別の目安や、低いときの改善ステップは、別の記事『スカウト返信率の平均|媒体別・職種別の目安と、低いときの改善ステップ』で詳しく扱っています。

自社で運用できないときはどうすればよいか?

候補者検索や文面作成、返信対応にかかる工数を社内で確保できない場合は、AIの活用や外部への委託を検討するとよいでしょう。前処理をAIに任せて人の判断と関係構築に集中する方法や、スカウト業務の一部を代行サービスに委託する方法があります。委託で何を任せられるか、費用感はどの程度かについては、別の記事『スカウト代行|依頼できる業務・料金相場・サービスの選び方』もあわせてご覧ください。

まとめ

ダイレクトリクルーティングで成果を出した企業の事例には、業界や規模を問わず、共通する要因がありました。ターゲットを明確に絞り、一人ひとりに合わせた文面を送り、反応に丁寧に対応し、十分な送信量を確保し、PDCAを継続する——この5つです。知名度や予算で大手に劣る中小・スタートアップでも、これらの要因を押さえれば、共感を軸に成果を出せます。まずは自社のターゲット設定と文面から見直し、できるところから運用を整えていきましょう。

ダイレクトリクルーティングで成果を出したいなら、リソースワーカーの「スカウト運用支援サービス」もお役立てください。ターゲット設計から候補者の抽出、一人ひとりに合わせたスカウト文面の作成・送信、返信対応まで、AIと採用のプロの分業で行動量と品質を両立します。支援企業は20社を突破し(2026年1月時点)、初回契約継続率は100%です。

サービス資料はこちら

出典

  1. 富士ツバメ株式会社|法人向けビズリーチ 採用成功事例(静岡の中小企業に即戦力人材が2カ月で4名入社)
  2. LO活 for company(厚生労働省委託事業)|株式会社WORK SMILE LABO 採用成功事例
  3. Wantedly HirinGeek|ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット(サン・クレア・セブンデックスの事例)
  4. 船井総合研究所|ダイレクトリクルーティング成功事例(A社・B社の事例)
  5. ロイヤルホールディングス株式会社|法人向けビズリーチ 採用成功事例(1年半で6名獲得、スカウト返信率約7割)
  6. 株式会社ホットリンク|法人向けビズリーチ 採用成功事例(1年で採用コスト80%削減、30名採用)